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自虐小説、不思議発見、叫び。


by leartha
「ロデオボーイの憂鬱」

 巷で話題のシェイプアップマシーン「ロデオボーイ」なる商品に、私も妙に惹きつけられている。私は通販オタクじゃないけど、時々つい宣伝につられて買っちゃうんだよね、コレが。で…けっこう失敗が多い…。「思ってたのと違うじゃん!」ってゆーのがたいていの嘆きだね。だからできるだけ実物を見てから買う様にしてるんだけどさ。
 
 それでもこの間失敗したのは斜め方向にツイストしながらステップ運動するヤツ。通販のと同じ物を、ちゃんと実際に乗っかって試してみて、「よし!これならイケるぞ!」って確信のモトに買ったのに。のにのにのに…、一つだけ盲点があったのよね。(盲点…もーてんと言えばモーテン・アンダーセン<元NFLのキッカー>は元気かしら?)。
 
 車で家に持ち帰り、意気揚々とCMさながらの作り笑顔で、力強くステップを踏んで、踏んで、また踏んで………。
 「1日たった5分の運動で、あなたも健康で魅力的な身体に…」って、その「1日5分」、たった5分で死にそうになってるじゃん!!アタシ!。もう息切れするわ足はガクガクだわ。健康になる前に死んでどうする~!。もしも売り場で、もう少しキチンとテストしてさえいれば、自分にこなせるかどうか分かったはずだぁ。とはいえ、この商品、地下鉄の長い階段を前にしても臆することなく、「ふふんっ楽勝よ」みたいな妙な自信だけはつけてくれたらしい。魅力的な体にはほど遠いけどね…。

 
 さて、問題の「ロデオボーイ」。
 上記の失敗を血と肉とし、今、とても慎重にこのプロジェクトを推考している。買うべきか、やめるべきか、それが問題だ(大袈裟なんだよ)。
 ちょうど近くの大型スーパーの健康グッズコーナーに、「おためしロデオボーイ」が置いてあるのを見つけた。ん~なんてラッキーな私。休みの日、買い物ついでに「よっしゃ~!!」と気合いを入れてこのコーナーに寄ってみるのだが…、何時行っても乗ることができない。人気があるから?。ええ、ええ、確かに人気者なのよ、とっても。ただし…、私の様に切実な思いでこの商品を試したい種類の人間にではない…。独占して飽きるまで人には譲らない、こいつらの正体は……。

 「子供」だー!。しかも「クソガキ」だぁー!!。加えて「集団」だぁぁー!!!。この集団の中だけで、すでに奪い合いなのだー。部外者の私に入れる訳がない!。しかも母親らしき人物たちはそれなりに近くで買い物してるから、こっそり泣かす訳にもいかないし。
 母親としては、うるさい子供たちがそこでおとなしく(してるわけないんだが…) 遊んでてくれれば自分たちの買い物ができる訳で…。しかも本来なら、デパートの屋上なんかにあって、お金を入れなきゃ動かない様な乗り物に、タダで、好きなだけ遊ばせておけると来りゃ~、使わない手はない。ってな具合に、無頓着を決め込んでるらしい。当然ながら、他にも乗りたい人がいるなんて事は、まっったくの想定外なのだろうね。ほとんどほったらかしの状態だ。
 それだけではない。問題は母親の買い物が終わって帰る時だ。まだ遊び足りないガキが絶対に泣き叫ぶ!。耳をつんざく大声で!!。つられて母親もヒステリックに怒り出す。
「いけません!。これはあなたの遊び道具じゃないの!!。」
 ……その言葉、もっと早くいってくれぇぇー!!。キャツラが味をしめる前に…。ご都合主義の母親めー。泣きたいのはアタシの方だ!。

 こんな苦難を乗り越えて、やっと手にしたアタシの権利。期待に胸を膨らませて乗ってみた。「あっ、いいじゃんいいじゃん。これなら長くつき合えるかも…」っとその瞬間、
 聞こえる…。ロデオボーイが叫んでいる……「やっと俺本来の仕事ができたんだ~!!」(井上マーか?)。
 しかし、そんなお互いの幸せも束の間、また別のお子様たちが集まって来る。結局少しだけ試して譲るはめになった。だって人前で長時間のるの、けっこう恥ずかしいんだもん。後ろ髪を引かれる思いでその場を離れ、そっと振り返って彼を見た。けなげに働くその姿が、心なしか寂しそうに感じられた。

 そんなこんなで先日、再びトライするため、あの場所へ行ってみた。が…、彼の姿はもうそこにはなかった。やはり苦情が多かったのか?、それともとりあえず全部売れてしまったのか?、一つも売れなくてやめてしまったのか?、真相は闇の中。気がかりなのは、あの「おためしロデオボーイ君」だ。彼本来の仕事はどれだけできたのだろうか?…(何ひたってんだか)。

 ともあれ、未だに買うのをためらっているアタシです。買って使ってみた人、感想あったら教えて。
# by leartha | 2006-06-04 19:54 | 不思議発見
「ブロークバック マウンテン」

 久々の更新でぃす。ファンの皆さん! おまたせ~ (って…、ファンなんていないだろ。)
 「ブロークバック・マウンテン」を観た。 なんていうか… コメントするのが難しいなぁ。いきなり「ハァ?」って感じで“コト”が起き、あれこれ「ハァ?」って思ってる間に、最後の大きな「ハァァ?」っていう“コト”が起きて、終わってしまいました。あらら……。 絶賛された割には見応えのない映画でした。 チャンチャン!。 って、これで終わっちゃぁ感想になんないんだよ。 けどさ、何でアカデミー賞の監督賞をとれたのか、よく分かんないなぁ~。

 強いて言うなら、ジャックの妻や両親が、イニスとジャックの事を気付いていたのか?、微妙に分からない撮り方をしている所は監督のうまさかな?。あと、イニスがジャックのコト(最後に起きる大きなコト)を聞き、自分の子供の頃の体験とダブらせてイメージする所も、わざと事実を曖昧にしながら、観客には強く印象づけたんじゃないだろうか。

 それにしても男同士が愛し合うと、こんな訳の分からない愛情表現になるものなのかしらねぇ。いきなりぶっこんだかと思えば殴り合ったり怒鳴り合ったり…。観ていて決して心地いい物ではない。それに女の立場で言わせてもらうと、あまりにもイニスの奥さんがかわいそうで…。タマんないよな~。ダブルで裏切られたって感じだもんねぇ。ひでぇー!。    
なのになのに、イニスとジャックの愛の後にイニスと奥さんのメイクラブを見ると、なんか…「ちんけ」なんだよね。「おっぱいが邪魔」な感じで何故か綺麗に見えなかった。
私の好きなタイプの女優じゃないから?(この人、「ドーソンズ・クリーク」に出てた人だっけ)。それともヒース・レジャーったら実は女より男の方が良かったのかしらん?。

 こんなふうに、理性では受け入れ難いし、だいたひかるの様に「ど~でもいいですよっ」と言いたくなる内容なんだけど、ラストの方でイニスがジャックの昔のシャツを見つけるシーン。あそこだけはジ~~ンときてしまいました。どうでもいいはずなのにね。こんな所も監督の力なのかも。


 ところで、アタシ的には別の興味深い「オプション」があった!。映画館での事、私の前に座ったのは、ナント二人連れの若い男。スーツではなかったけど、学生って感じでもないのよね。ただでさえそういう二人連れって珍しいのに、こういう映画でしょ? ムフフな期待をしちゃったわけよ。これでもし、イニスとジャックがやっちゃった時に前の二人も抱き合うなりなんなりしてくれたら…!。なのに、最後までなんにも起きなかったのよね。ったく…、サービス精神のないやつらだ!。どうせならそのくらいのパフォーマンスして下さいよ、お二人さん。…あっ… でももしや、私が勇気を出して前の席を覗き込んでさえいれば…手ぐらいはにぎってたかも…。しまった! チィ!!。(何妄想してんだか…)。


ともあれ、山の風景はキレイだし、羊の放牧の仕事の過酷さもこの手の映画ならではで興味深い。それに何と言っても前述した様に、不思議な感情の揺さぶりをかけてきやがる映画だね。そういうのを見たい人には良いんじゃない?。アタシはあんまり好きじゃないけど。それにこれじゃやっぱり作品賞は無理だったと思うな。「問題作だったから」ではなく、「内容がない」から。
 それにひきかえ「クラッシュ」はすごくよかった!。どっちか1本を観るなら、私のお薦めはダントツで「クラッシュ」だね。この映画の感想は後日、乞うご期待!。(って、本当に書けよ!) …ゴメン、自信ない……。
# by leartha | 2006-04-01 18:46
「シンデレラマン」

 試写会の券が手に入って人より少し早く見ちゃったら、何だか映画評をかきたくなっちゃってさ。前の「宇宙戦争」だけでもう書かないって思ってたのに、とうとう禁断の果実をかじってしまったのね、私…。(だったら公開前に書けよ!)。


 芸能人が感想を言ってるテレビの宣伝を見ると、「シンデレラマン」は「感動できそうな、ボクシングを題材にした実話の映画化」らしい事が分かる。「ちょっと感想がざーとらしい!」かどうかは別として、まったくその通り。「こんな映画が見たい気分なの」と言う人には、きっと期待を裏切らない作品でしょう。
先に言ってしまうけど、ストーリーはちょっとお約束って感じかな?。そういう意味でも期待を裏切らないんだけどね。(……)。でも、ストーリー以外の要素に感動する点がたくさんあった。見どころはそっちだね。

  まず、時代背景がよく描かれていた。これは主人公(ジム)の人物像を表現する上では必要不可欠なんだけど、みごとに魅力的な人柄に出来上がっていた。
何よりも私が素敵だって思った事は、ジムと奥さんとの夫婦(男女)関係だ。時代としては大恐慌のただ中、国中が希望を失っていたかもしれないが、男と女が一番ステキな時代だったのかも…。男が「男としての強さ」を発揮でき、女が「女としての強さ」をしっかりと持っていた。現代モノにやたら出てくる、「自分の欲求」や「自分の主張」ばかりを強要する様な夫婦(男女)の間柄ではなく、「守るための強さ」「辛い時代を乗り越えるための夫婦(家族)の絆」がとても美しく、現代人の私には、斬新にさえ感じられた。
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 ジム自身の人となりも分かりやすい。どんなに辛い時でも「ウチはこれでも恵まれてるんだ」と、メゲない前向きな姿勢は好感が持てる。普段は穏やかだが、内に秘めた熱い闘志は、どんどんボクシングの観客に元気を与えていった。ラッセル・クロウの物静かな眼差しは、どんどん映画の観客を引きつけていった。

 と、ここまで褒めると100点満点みたいじゃん?!。ええ、もちろん、評判通りのいい映画よん。 ・け・ど、アタシ的には何かモノ足りない。パンチのない映画な気がした(パンチの数はやたら多いのにねぇ)。

 私は普段、一つの作品を他の似ている作品と比べる行為は、なるべくしない様に心がけている!。んだけど…、どうしても「ロッキー」がオーバーラップしてきちゃうんだよね。だから逆らわずに、あえて比べてみる事にした。そうすれば、何故この映画がモノ足りないのかが分かる気がしたから。
 正直言って、ラストで盛り上がったのは「ロッキー」の方だ。もちろんこの手の感情ってヤツはやっかいなもので、その時の心の状態に左右されるから、一概に「ロッキーの方が上」とは言えない。(第一「ロッキー」を見たときはもっと若かったしね。ぐふふふふ…)。けど感情を分析すれば、ツボらしきものは見えてくるはずだ。

 「シンデレラマン」のジムは、前述した様に、常に前向き人間だ。時代が時代だからその日を暮らしていくのも大変で、何度も挫折を味わうが、その度に果敢に乗り越えていくナイスガイだ。頼りがいのある夫であり父でもある。
 それに引き替えロッキーは、少ないファイトマネーと高利貸しの借金取りで生計を立てている、いわばアウトローである。貧乏なところはジムと同じだが、最も違う点は、彼の心の中が傷だらけな事。大きな迷路の中で方向を見失い、自分の価値さえ分かっていない状態なのだ。おそらく多くの人が、少なからずこんな感覚を持ちながら生活してるんじゃないかな?。間違いなく私はこっちタイプの人間だ。だからつい共感してしまったのだろう。

 つまりジムはイイヤツすぎた。というか、ジムの心の変化が分かりにくいし、内面をえぐって「弱み」を見せてくれない、そんなお行儀の良い映画なのだ。まるで小学生の時に読まされた伝記の様に、自分とはかけ離れた人間が主人公な訳で。だから私の様なひねくれ者には、イマイチ感情移入できなかったのだと思う。そこがモノ足りないと思った原因だろう。 
 もう1つ、「シンデレラマン」の残念な所は、ジムが日雇いの仕事で知り合った友人の存在(名前は忘れた)だ。すごく重要な役柄だと思うんだけど、この映画の中では、ジムに特に影響を与えた訳でもない気がした。この人を使って、ジムの内面を表現できたんじゃないかと思うと、もったいない。

 しかし、だからこそ「シンデレラマン」は、美しく出来上がっている。「ロッキー」のような泥臭さはない。ちなみに、はじめて「ロッキー」を見たとき、ロッキーとエイドリアンのファーストキスのシーンはちょっと「ゲッ!」って思っちゃった。
 
 ま、いろいろ書いちゃったけど、「感動できる」映画である事は、まーちがいない!。羅亜佐お薦めの一本でっす。  (占い:もし、「イマイチ物足りない」っておもったら、貴方も私と同類のひねくれ者でしょう。ヒヒヒヒヒヒ…)。
# by leartha | 2005-09-19 23:12 | 映画評
「宇宙戦争」

羅亜佐も映画評かいてみました!_c0021827_18572833.jpg 映画評は書かないつもりだったんだけど…。だって皆がすごく書いてるし、もう出来上がっちゃった物についてあれこれ言ったって、自分の欲求不満解消にしかならないし。おまけに誰にも読まれないブログじゃなおさらねぇ。ま、いっか。だって書きたい! この映画だけは!(って言いながら味しめんなよ)。
 
 「宇宙戦争」みたよ。私はH.G.ウェルズの原作は読んでないけど、先日、昔作られたモノクロの「宇宙戦争」を見てしまった!!。そもそもこれが間違いのモトかもね。どうもそれとダブっちゃってさ、映像は新しいのに何故か古くさく感じちゃったのよね。だっておおまかな内容は同じなんだもん。
 スピルバーグの名誉のためにいっとくけどさ (別にアンタがけなしたからって彼の名前にキズなんかつかないってば)、ビルが吹っ飛ばされたりガラスが割れて降ってくる臨場感は、前例を見ない程迫力満点!。圧巻だった!。主人公を、ただのどこにでもいるオヤジにしたのも現実味があって、さらに恐怖に追い打ちをかけてくれた。そしてこの、「地球滅亡の危機に、主人公をあえてヒーローにしなかった」点は、新しい切り口だといえる。もちろん前例がないわけではないけど。例えば「サイン」とか…。スピルバーグはおそらく、宇宙人が攻めてこようが「等身大の人間」を描こうとしたんだろう。「その時アナタは?」みたいな。
でも残念ながら、「ダメオヤジが親子の絆を取り戻す」というテーマと、「人類滅亡」というインパクトの強い見せ場、この二つのさじ加減を間違えちゃった様な気がする。

 これが小説ならいくらでも書きようがある。ページは増やせるし、あの時俺はあー思ったのこー思ったのって講釈たれまくれるし、過去にいくらでも遡れるし、挙げ句の果てに結末がビシッと決まらなくても、それなりに形になるから。でもこれは映画なのだ。主人公は、約2時間の間に「何かをやってくれる人」じゃなきゃ、やはり盛り上がりには欠けてしまうだろう。なのに…。
  
 もちろん、「アルマゲドン」や「ザ・コア」などの、判で押した様なヒーローが望ましい訳ではない。けど、たくさんあったじゃん?!「エセ」でもいいからヒーローになれるキーポイントが…。例えば、娘との会話で、「トゲは抜かなくても、人間には自然に体から出す力があるのよ」っていうやつ。これって十分に結末の複線になり得るセリフだったと思う。その上、彼らは宇宙人の子供みたいなヤツと接近までしたんだから(これは『未知との遭遇』で言うところの『第3種接近遭遇』だぞ!)、やっぱ格闘して、例えば腐りかけた木片でちょっと刺しただけなのに、感染症をおこして即死しちゃいました!とか…。こんな風にキャツラの弱点を発見した事にすれば、ただ家族を守りたいだけだったダメオヤジが、人類救済に一役買った事になるのに…のにのにノニジュース。いくら娘のためとは言え、いかれおやじ(しかもティム・ロビンス)を殺してる場合じゃないと。

羅亜佐も映画評かいてみました!_c0021827_18593190.jpg



 それに、親子の問題のほうも解決していない。最も分かり合わなきゃいけない相手は息子だったはずでしょ?。なのに何で途中でいなくなっちゃうわけ?。「てめー! どこ行くんだよー!」って、思わず叫びそうになっちゃったよ。くわえて、命がけで娘を守り通したのに、元妻はたいして感謝もしてないんだか、あの淋しすぎるラストシーン・・・。
 
 結局、地球を救ったわけでもなきゃ、家族の愛を取り戻したわけでもなく、まるで蚊帳の外。これじゃ主人公とは言えないよ。だからトム・クルーズの魅力が全然光らなかった!。どうせここまで主人公を蔑ろにするんなら、いっそ元妻には会わずに帰ってほしかった。娘が母親の家へ向かって走って行き、主人公は何も言わず来た道を一人で戻っていく。背中に男の哀愁を漂わせながら…。ボロボロになった地球とボロボロになった一人の男、この2つがオーバーラップし、再建に向かっての第一歩を予感させるシーンにしてほしかった。
 とことん中途半端な映画になってしまいましたね。

 ただし、理屈ぬきに、主人公の身に起こったことに只ただ感情移入して見れば、ハラハラドキドキできるし、かなり快感は得られる。ジェットコースター・ムービーとしては最高でした。
# by leartha | 2005-08-03 19:03 | 映画評
    「バフィーとエンジェル」

 とうとう「エンジェル」のファイナルシーズンが始まっちゃいました。エェーン(泣いてる)。「バフィー」のファイナルシーズンがコケただけに(ごめんなさい)、その分「エンジェル」に期待するところは大きい。

羅亜佐のみちばた ドラマみよーっと_c0021827_2049391.gif「バフィー」との出会いは何年くらい前になるかな…。たぶんCSのFOXチャンネルで初めて放送した時からのつきあいだ。(友達かよ)。ケーブルマガジンの中で大々的に宣伝していたから、その存在を知ったんだけど、実はその宣伝文句は私の興味を全くそそらなかった。「バンパイヤハンターのバフィーと、宿敵バンパイヤ、エンジェルとの恋の行方は…?」みたいなことが書かれていたからだ。加えてタイトルも「バフィー 恋する十字架」なんて……いかにもって感じでしょ?。

日本では、映画でもドラマでも、やたら「恋愛」を全面に押し出す傾向があるよね?実際のテーマは別の所にあるのに。それってやめてほしい!。若い女性をターゲットにしてるから仕方ないんだろうが…、基本的に恋愛物が好きではない私には、イジワルとさえ言えるのだ。だってそのせいで、恋愛物だと勘違いして、見逃してしまった良い映画やドラマがどれほど多いことか…。                     「バフィー」も、そうなるところだった。ヒュー(冷や汗をふいた音)。でもきっと天使(エンジェル)が私に微笑んでくれたのね。たまたま他に見る物もなく、FOXにチャンネルを合わせたのが運命のはじまりはじまりー。そのたった1話で、私は完全に「バフィー」にハマってしまい、準主役のエンジェルに惚れてしまい、後にスピンオフドラマとなる「エンジェル」もふくめて、1話もかかさず今日に至っている!。たぶん…全部…見てると思う……(自信ないのかよ!)。で、ついに「エンジェル」がファイナルシーズンに突入してしまった。すでに「バフィー」は終わっていて、今は再放送でファイナルシーズンが見られる。

しかしその「バフィー」のファイナルシーズン、アタシ的にはかなりコケたっていうのが正直な感想なんだ。
   
 ネタバレ注意 
 正確に言えば、コケたのはその前のシーズンから。ってゆーか、バフィーが死んだところで終わってほしかったよ。あれはみごとだった。びーびー泣いた。納得のいかない歯がゆさを、なにげなく残した辺りもうまいと思った。あまりに感動的にそのシーズンが終わったから、次のシーズンで「生き返りました!」っていわれてもねぇ…。
ヒーロー物の面白さっていうのは、主人公を窮地に立たせて、そこから持ち前のキャラを発揮しながら、視聴者をドキドキさせながら、解決していくものだ。そういう点でバフィーは、最も強い敵と戦い、ただ死んだんじゃなく自ら死を選んだわけだ。それを蘇らせるなんて、野球で言えば優勝が決まった後の消化試合の様な物だ。盛り上がる訳がない。ネタバレ終わり


○「バフィー」の魅力って何だろう。 
しかし、コケたとはいえ、この作家はやっぱりすごい!。「敵」の設定を「化け物」から「化け物プラス人間の内面」に変えてきた。もとより、この作品は単なる「強い女の子が戦って勝ちました」的なものではない。化け物と戦って死ぬかもしれない事より、明日の試験や、友情が壊れる事や、親から誤解される事などの方が、バフィーにとっては怖い事なのだ。そんな一見普通のかわいらしい高校生の女の子が、非日常的な体験を通して、心身共にどんどん強くなっていくのだ。そこが面白い。

ところで、私は「強い女の子のバトル物」はあまり好きではない。アクションが下手だから?。いや、そういう訳じゃない。今は女の子でも基本的な練習はさせるし、何と言っても特撮などの技術が高いからリアリティーがある。強いて言うなら「殴られ方」が下手だと思うが(それってやっぱりアクションが下手って事?)、問題はもっと深いところにありそうだ。うまく言えないが、「ボコボコにされる女の子は見たくない。かといってバトルものである以上は双方がボコボコにならないと面白くない!」そんなところかな?。実際、女の子のバトルものは、あまりボコボコにされない物が多い様だ。だから何か物足りない。しかし「バフィー」は、けっこうボコボコにされるのだ(そりゃ、相手は化け物だからねぇ)。なのにイヤな気分にならないのは何故か?。ここに魅力の秘密を解く鍵があるのかも…。

羅亜佐のみちばた ドラマみよーっと_c0021827_2050174.gif 「男が強いもので、女は弱いものだ。」などというと、ジェンダーフリーを叫ぶ人たちからは性差別主義者扱いされそうだが、根本的に私の中にはこういう思いをぬぐい取れない何かがある。そのせいか、男は殴られるシーンが絵になるが、女はイマイチ決まらないと思ってしまう。例えば、女子プロレスラーにお笑い芸人がボコボコにされてるのは笑えるが、その逆だったら不快に思うんじゃないかな?(森三中なら笑えるかも…)。
しかしバフィーは、ストーリーの設定上ここをクリアしなければならなかった。そして成功した。かわいいバフィーを「ボコボコ」にするのでなく、「ボロボロ」にしたのだ。ただ殴られたり刺されたりするのではなく、ジャブを重ねて、決定打ではバフィーはすっ飛ばされて物を壊す!。このやり方はかなり画期的で効果的だ。見た目にも迫力あるし、実際に殴られて倒れる訳ではないので、何故か不快ではない。しかもこれが人間対人間だと「ありえねー」となるが、なんたって相手は化け物な訳で…。

 似たような設定でも、エンジェルはバフィーに比べるとかなり殴られたり刺されたりしてる様に思える。でもエンジェルはマッチョ系の大男でバンパイアだから気にならない。そこがSexyだとさえ感じる。やはり制作者が意識して女の子のアクション物を作っているのがうかがえる。
そして、前述した様に、バフィーはメチャクチャ強いのだが、中身は等身大の若い女の子として描かれている。まるで、隣の席にいつも座っているクラスメートの様に身近なのだ。そこら辺が特にティーンエイジャーに受けた秘訣だろう。だから、ファイナルシーズンの少し前辺りからコケたのだ(って思ってるのは私だけ?)。
だって、「売り」である「現実感」がなくなっちゃったんだもん。
翻って「エンジェル」は、最初から現実感などどこにもないドラマだ。魂を持ったバンパイアが、化け物がらみの事件ばかりを扱う探偵事務所を開く。自分の過去を償うために。仲間といえばハーフデーモンだの、デーモンハンターだの、ウォッチャーくずれだの、他の次元から来たヤツだの…。少なくともクラスメートにはいなかったハズだ。

ともあれ、今「エンジェル」は盛り上がってきている。このままのぼりつめて最終回を迎えて欲しい。できたらバフィーも戦いに加わって欲しいものだ。

バフィーの公式サイト

バフィーに関する情報はここにアクセスしてみて。
エンジェルに関する情報はこちら。
# by leartha | 2005-04-16 21:10 | 海外ドラマ